どのステージでAIMを投与すると最も短い期間でAIMの効果がはっきりわかるかを探るため、小林先生〔獣医師〕にご協力をいただき、全国にいる先生の信頼できる仲間の獣医師の先生数名に、いろいろなステージの患者ネコにAIMを投与してもらった。2017年1月から打ち合わせ・調整を続け、同年6月から約3カ月間、投与を行った。
すると、予想していたように、慢性腎臓病の初期(IRISステージ2や3の初期)では、例えば2〜3カ月間、AIMを投与していてもいなくても、腎機能マーカーは変動しない。
おそらくこのステージであっても、数年間観察していれば、AIM投与群と非投与群で腎機能マーカーの値にはっきり差がついてくるのだろうが、治験を行う期間として適当である数カ月のスパンでは差が出ない。
一方、キジちゃん〔腎臓病末期だったが、AIMによって症状が一時的に回復したネコ〕のようなIRISステージ4のネコにAIMを投与した場合、いったんはどのネコでも尿毒素が掃除されて元気になる。
しかし、このステージでは、ネコによっては重度の貧血や歯肉炎など末期腎不全にともなうほかの症状が手遅れの状態まで進行していたり、溜まっている尿毒素の量もまちまちだったりするため、なかなか一定した結果とならない。
つまり、ネコごとに症状や重症度が大きく異なるので、一頭一頭でAIMの投与量や投与の間隔を変えていかなくてはならない。これもやはり、AIMが承認された後、臨床の現場で行う分にはよいのだが、治験はあくまで一定のプロトコール(手順)で行う必要があるから、適当ではなかった。
腎不全末期のネコに驚きの効果
さまざまな病気とAIMのかかわり
AIMのネコ薬の開発作業
文/宮崎徹
図/『猫が30歳まで生きる日』(時事通信社)提供
写真/にご里 @nigoritosake













