なぜ韓国でセクシービデオの規制が緩和されたのか

そんななか、2018年に映像のモザイク処理を巡る基準が変わった。
実は韓国では2010年ごろからスパイカメラによる盗撮や、元恋人や元配偶者によるリベンジポルノが増加していた。
こういった社会問題を受けて、「セクシービデオの規制を緩和する必要があるのでは」という声が上がるようになったというのだ。前出のジャーナリスト、キム氏は解説する。

「決定的となったのが、2018年にアイドルグループKARAの元メンバーのク・ハラが元恋人から受けたリべンジポルノ脅迫事件(翌年、クは自殺)です。
この事件後、リベンジポルノ被害を減らす効果も狙って、2018年に文化体育観光部傘下の映像物等級委員会によって、セクシービデオにおいて“性器をモザイク処理した映像も審査対象とする”と法改正されたのです」

この法改正後の韓国セクシービデオ業界を「今、韓国はまさにアダルトビデオ創世記だった1980年代の日本と同じ状況なのだ」と語るのは、セクシービデオ監督でありながら2018年にセクシービデオメーカー「MIB」を設立し、セクシー女優のプロダクション事業と配信事業、イベント事業を束ねるNAグループの代表を務めるイ・ソンウ監督だ。

イ・ソンウ監督
イ・ソンウ監督

Netflixの『全裸監督』を見て感化され、「自分こそが韓国の村西とおるになる!」と豪語するイ監督は言う。

「我が社には韓国人のセクシー女優が10人ほど所属していますが、やはり日本の女優や作品の人気には敵わない。
ですので、浜崎真緒さんといった人気女優を韓国に呼んで撮影したり、日本に来て撮影現場を見学したりと、いろいろと学ばせてもらっています」