担当編集からの忘れられない一言

――そもそもは『ヤングジャンプ』だったんですね。

そうなんです。そのときの担当さんは編集部にはもういらっしゃらないんですが、ネームがどれだけ浅くても、とりあえずめちゃくちゃ原稿を描かせてくれました。その時期に400ページくらい描いて、めっちゃうまくなったと思うので結果的によかったですね。

――『ジャンプルーキー!』(ジャンプでデビューできるマンガ投稿サービス)にも投稿をしていたそうですね。

そうですね。そのときに描いた原稿がたくさん残っていたので、余った原稿でも投げてみるかとやってみたら、すぐに「受賞しました」って電話がきたんですよ。実は、当時他の出版社で話が進んでたんですが、「からかい半分で行ってみるか」と打ち合わせに行ったら、めちゃめちゃいい担当さんで「少年ジャンプ+」にきちゃいました(笑)。

【漫画あり】「全然おもしろくないね。週刊連載の漫画家が1年に何ページ描いてるか知ってる?」漫画家・成田成哲のデビューへの道筋となった担当編集の忘れられない一言_3
『筋肉島』より ©成田成哲/集英社

――それが今の担当さんですか?

今の担当さんは『筋肉島』からですね。 実は『筋肉島』もはじめは別のところでやろうとしていたんです。ただ、今の担当さんともやりとりしている中で、あるとき「筋トレを始めた」って言うんですよ。それを聞いて「うわぁ、この漫画…筋トレしてる人と描きてえ!」と思って、こっちに持ってきました(笑)。

【漫画あり】「全然おもしろくないね。週刊連載の漫画家が1年に何ページ描いてるか知ってる?」漫画家・成田成哲のデビューへの道筋となった担当編集の忘れられない一言_4
『筋肉島』より ©成田成哲/集英社

おかげで本当にマッチョじゃないと考えられないような煽り文をつけてくれますし、筋肉ネタも提供してくれますし、素晴らしいです。今日も会って第一声が「体重増えました?」でしたから(笑)。エレベーターの中でも「ちょっとダーティバルクで増やしまして」「あー、なるほど。さすがですね」ってトレーニーみたいな会話をしていて、周りにいた方はたぶん漫画家と担当編集とは思わなかったでしょうね。