アニメ『ヒカルの碁』の影響で囲碁教室に通う子どもが爆増
「新宿こども囲碁教室」には4歳から中学生までの約200人の子どもたちが通う。
藤澤一就八段が子どもだった昭和時代は囲碁をやる子どもは珍しく、年配の男性がやるものと思われていたが、今は一転、女性ファンも増え、子どもの習い事としても認知されてきている。
「私が教室を開いた2000年ごろ、生徒は13人ほどしかいませんでした。
それが “ゆとり教育の危機”が叫ばれ、『AERA with Kids』や『PRESIDENT Family』等で習い事としての囲碁が紹介されたり、アニメ『ヒカルの碁』(2001年放映開始)の影響もあって急に200人近くまで増えました。
アニメ終了とともに生徒数は100人以下となりましたが、『ヒカルの碁』世代が親御さんになって、ピアノやスイミングと同じように碁も小さいうちにやらせようと考える家庭が増え、コロナ禍前には再び230人もの子どもたちが教室に通うようになりました」(藤澤八段、以下同)
韓国や台湾でも、頭をよくする習い事として囲碁が定着している。新宿子ども囲碁教室ではプロを13人も輩出しているが、ほとんどの子どもは囲碁を職業には選ばない。
とはいえ、一流大学に進学する元生徒も多く、囲碁は学業にも役立っているという見方もできる。実際、囲碁は知育にどのような効果があるのか。
「まず、集中力が養えます。普段、子どもが集中力を鍛える機会はなかなかありませんが、教室にいれば4~6時間、断続的に囲碁の問題を考えることになる。頭は使ったほうが活性化するのでこれが受験に大いに役立っていると思います。
また、囲碁は盤面が広いので、全体を俯瞰して把握する考え方が習慣になるのも知育にはいいのでしょう」