退校者の声 #2

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【シリーズ:防衛大論考――私はこう読んだ】
#1 望月衣塑子
#2 大木毅
#3 現役教官
#4 石破茂
#5 石原俊
【元防大生の声】
#2 「1年はゴミ、2年は奴隷、3年は人間、4年は神」
#3 「叫びながら10回敬礼しろ。何もできないくせに上級生ぶるな」
【防大生たちの叫び】
#1 適性のない学生と同室で…集団生活の“地獄”
#2 女子学生へのセクハラ、シャワー室の盗撮、窃盗事件…

波紋を呼ぶ防大教授の告発

6月30日に、防衛大学校の等松春夫教授が公表した論考『危機に瀕する防衛大学校の教育』と当サイトに掲載されたインタビューは、アカデミアからマスコミ、そして政界にまで大きな反響を呼んでいる。

防大の現状を実名で告発した等松春夫教授
防大の現状を実名で告発した等松春夫教授
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論考を読んだ『東京新聞』の望月衣塑子氏は『ゼロベースで考える』べきだと主張した。

〈こんな状況で、自衛隊がまともに機能するとは期待できない。問題があるなら、まずは立ち止まり、ゼロベースで考えることが大切ではないのか。戦争への道は、その資格のない人たちに武器を与え、予算を与えることから始まる。今の自衛隊には、増えた予算や武器を扱う能力など、到底、備わっていないのではないかと思う〉(望月氏)記事リンク

他方、防衛研究所や陸上自衛隊幹部学校で講師を歴任した大木毅氏は『国家の機能は一瞬たりとも機能不全におちいることを許されない』として、等松論考を『防衛力整備の中止』につなげようとする左派をたしなめ、同時に右派も批判した。

〈防大、また諸幹部学校などの現状改善は、もとより喫緊の急務である。しかし、自衛隊の存在意義とそれに基づく規範の確定がなければ、問題の根絶は期待できまい。それなくしては、等松論考に述べられたような事態が、時と場所、かたちを変えて、再発することになろう〉(大木氏)記事リンク

大木氏は、問題の根源は『憲法と自衛隊をめぐる深刻な問題』にあると指摘したのである。
こうした論争は、浜田靖一防衛大臣による言及【1】を経て、「朝日新聞」(7月24日付)や「産経新聞」(7月27日付)まで報じるに至り、こうした流れは現在も続いている。