父娘は事件前、量販店で刃物とスーツケースを購入
集英社オンラインでは瑠奈容疑者の祖父の証言として、女装したAさんを女性と思い込んで交流を始めた瑠奈容疑者が、不同意性交の被害にあったことが事件の発端の可能性であることを報じた（＃４）。
また、共犯で逮捕された母親の浩子容疑者（60）は道警捜査本部の調べに対し、その趣旨に沿った供述をしているという。
さきの「知人女性」の証言は、事件と直接の関係はないものの、Aさんと瑠奈容疑者の間に生じた「トラブル」を解明するための重要な手がかりになるかもしれない。実際、この知人女性は、捜査本部から聞き取り調査を受けていた。
「被害者の方（Aさん）と面識があったので、私も2週間ほど前に警察から、『この人を知っているか？』と重要参考人だという女性の写真を見せられました。“特殊なバー”から流れてくるお店で2度ほど見かけたことがある女性でした」
はたして、この女性は瑠奈容疑者だったのだろうか。
「あまり細かい部分は記憶に残ってないものの、20代後半の目鼻立ちの整った綺麗な方だったので顔は覚えていたんです。メイクはすごく薄くて水商売風の印象は受けませんでした。あの界隈のお店に来る女性たちってジェンダーな悩みを抱えている人たちも多くて、仕事柄に関係なく女性が来るのは珍しくないですから」
捜査本部は逮捕した3容疑者の認否を明らかにしていないが、地元紙の北海道新聞は26日、捜査関係者の話として、今年に入ってAさんと知り合った瑠奈容疑者がAさんに暴行されたと知り、夫が娘と一緒に事件を起こしたことを浩子容疑者が供述していることを報じた。
父娘は事件前、札幌市内の量販店で凶器とみられる刃物とスーツケースを購入していたこともわかっている。娘を守るために強めた家族の絆が、人命を奪ってしまったのか。救いのない事件の全容はまだまだ、明らかになっていない。
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取材・文／集英社オンライン編集部ニュース班
