資産がある場合は後見人を早く見つけておく
最近、働けない子どものためのお金の相談で、感じているのが資産の格差です。
これは老後資金の格差より大きいと感じています。
資産を持っている人は1億円以上、中には2億円というご家庭がある一方、親が生活保護を受けているなど全く資産のないご家庭があります。
私が相談を受けている資産を1億円以上持っている人は、子どもが学生の頃からひきこもっていて、子どもの将来のために共働きして、旅行に行ったり出かけたりなど自分の楽しみも削り、全て子どものためにと一生懸命貯めた結果が1億円であり、もともと資産家であったというケースは少ないのです。
資産があること自体は、子どものお金についてはひとまず安心ですが、それが後々問題になることがあります。
資産がある親は、「お金さえあればなんとかなる」と思っている人が多く、問題を先送りにしがちです。
お金があったとしても、親が亡くなった後では、子どもが自ら銀行からお金を引き出したり、不動産の管理をしたり、などさまざまな手続きや届け出を自分でやらなくてはいけなくなります。
となると、ずっとひきこもっていたので、本人は外に出られない、やり方がわからないというリスクがあります。
それを避けるためにも本人に代わって、お金や不動産の管理、契約などできる後見人のような人を探しておく必要があります。
これは兄弟姉妹に依頼することもできますが、そういった話し合いを家族間でしていない場合が多く、いざ依頼しようとすると断られてしまい、新たに探さないといけなくなります。
今、資産のある人は、この後見人を早めに探しておきたいところですが、なかなか動いてもらえないのが問題だと感じています。
また、お金があることで、地域や自治体との繋がりが希薄だというケースは少なくありません。
都道府県、指定都市には「ひきこもり地域支援センター」が設置されています。
ひきこもり支援コーディネーターが相談支援を行い、さまざまな関係機関と繋がり適切な支援と結び付けてくれます。
資産があるなしにかかわらず、親はさまざまな機関と繋がっておくことで、将来子どものサポート体制が整いやすくなりますし、心理的にも楽になるので、覚えておいてください。