『千と千尋の神隠し』『ピンポン』で残したイメージ

渡米を経て、今も続く自身プロデュースの舞台『印象派』の活動を柱に据えてからは、女性誌でもたびたび自身の生き方を語ることが増え、徐々に「理想の年齢の重ね方をしている女性」というイメージを強めていく。

その後はバンドを結成し、ジャズ、ロック、ブルースと多ジャンルでの音楽活動を行う一方、俳優としても引き続き活躍。年齢を重ねるごとに、役の幅が広がり、2001年にはアニメ映画『千と千尋の神隠し』の湯婆婆役を演じた他(のちの舞台版でも湯婆婆役を夏木が務めた)、2002年の映画『ピンポン』のオババ役では日本アカデミー賞助演女優賞にノミネートされた。

この頃まだ彼女は50歳前後であったが、実年齢より上のクセ強で貫禄ある役柄が続いたことで(言い方が悪くて申し訳ないが)「かっこいいババアといえば夏木マリ」というイメージがついたのではないかと思う。

そして、そのイメージはどんどん定着し、近年のNHK朝ドラ『おかえりモネ』の登米の姫サヤカ役や、CMでの『ONE PIECE』Dr.くれは役などに繋がっている。

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「年齢は記号に過ぎない」からこその挑戦する姿勢に好感

私生活では、2007年から事実婚状態であったパーカッション奏者の斎藤ノヴ(ある世代にとっては後期イカ天の審査員として有名)と2011年に59歳で入籍。2021年には69歳で挙式をした。

30歳後半あたりから雑誌のインタビューなどでも「年齢は記号に過ぎない」と常に言い続けており、その言葉通り、何歳になっても精力的に新しいことに挑戦している。

役柄のイメージ、そしてそれを上回ってくる本人の生き方。
敬愛の意を込めて、やはり「かっこいいババアだよ、あんた」と言いたい人である。