記者もプチぼったくり被害に…

記者が選んだのは漢方オイルマッサージ60分9000円のコース。
部屋に入ると、ベッドの上に紙パンツが置かれているのだが、男性用しか用意がないのか、記者が穿くとブカブカ。
そして、ジーパンに半袖Tシャツの40代くらいのマッサージ嬢が入室すると、熱々のタオルをぶっきらぼうに数枚かけられる。「アツっ!」と思ったものの、このくらいの乱暴さは熟練の中国系マッサージ店にだってよくあること。

施術ルーム(※写真はイメージです)
施術ルーム(※写真はイメージです)

潜入取材ということで「お姉さんはいつからここで働いてるの?」と聞いてみるも、「わたし、日本語わからない」と突き放されてしまった。
しかし、次の瞬間には「肩、かたいね! これは四十肩!」とそれなりに難しい単語で記者の体のかたさを指摘。日本語は話せるが、記者の相手が面倒くさくてしゃべれないテイにしているのだろうか。

マッサージテクニックは「首肩が辛い」というこちらのオーダーどおり、強さ加減が絶妙でポイントを外さず、入念に揉みほぐしてくれたのでハイレベルだと感じた。

しかし、会計は9000円ではなく、なぜか13500円。「60分だよね?」と聞くと「あなたが受けたのは90分。だから1万3500円!」と言って聞かない。しかたがないので、折れて支払うことに。

PayPay払いに対応しているというので、それでお願いする。しかし、QRコードをかざすでもなく読み取るでもなく、現れた店のママらしき女性のPayPayIDに直接送金することに。これは斬新だった。

マッサージ嬢はぶっきらぼうながらも腕は確かだった(※写真はイメージです)
マッサージ嬢はぶっきらぼうながらも腕は確かだった(※写真はイメージです)
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プチぼったくりにあった感は否めない。また、ベッドのシーツの湿った感触など、女性として独特な雰囲気を感じられたのは収穫だった。

新橋西口エリアは「新橋駅西口地区市街地再開発準備組合」が設立されており、このニュー新橋ビルの敷地にも今年には新たなランドマーク的建物が建設される予定だった。しかし、一向に解体どころか閉館すらしていない様子だ。

ニュー新橋ビル管理組合によると、「再開発準備組合の話し合いには区分所有者が個別に参加していますが、現時点ではいつ閉館して解体するといった期日は決まっていません」とのこと。しかし、いずれにしても築50年以上のこのビルが解体されるのは免れないだろう。

マッサージ店だけでなく、レトロゲームが並ぶゲームセンターや明治18年創業の洋食店などサラリーマンに愛された店が多数入る、古き良き“おやじビル”。
取り壊されることになったらまたひとつ、東京は昭和の面影をなくすことになる。

取材・文/河合桃子
集英社オンライン編集部ニュース班