結局バリウムと胃カメラはどっちがいいの
胃がんの検診には2種類あります。それは「バリウム(胃レントゲン)」検査と「胃カメラ(内視鏡)」検査。バリウム検査も胃カメラ検査も、受診することで男女ともに死亡率が下がったというデータも報告されており、どちらもおすすめできる検査です。そこでよく話題に上りやすいのが、「一体どちらを受けるべきなのか?」ということ。
どちらも有効性が示されている以上、どちらも受けるという選択でも良いのですが、どちらもある程度苦痛を伴うことが多い検査です。その上でどちらのほうが良いのか……と考えますと、正解はないですが胃カメラのほうに軍配が上がりそうです。
胃カメラの利点としては、カメラが必ず通過するので、食道やのどの部分の異常があった時も発見できること。これはバリウムでは無理です。そして異常を直接目で見て確認できること。胃の内側の出っ張りやふくらみがあれば、そこから組織をとってきて悪性か良性かを調べる検査に回すこともできます。
また、バリウム検査で異常があった際も、結局次に胃カメラをやらなければならないというのもネガティブな要素でしょうか。一方、バリウム検査の利点としては、「胃を俯瞰して観察できる」ということが挙げられます。
「スキルス胃がん」と呼ばれる、胃の壁全体に染み込んでいくようにして発生するタイプのがんだと、なかなか胃カメラで内側から見ただけではわからないことがあり、この場合はバリウム検査が活躍することもあります。
ですので一般的には胃カメラを選択される人が多いですし、利点も十分なのですが、バリウムが完全に劣る検査というわけではないことは覚えておいてください。バリウム検査は40歳以上に毎年、胃カメラ検査は50歳以上に2年に1回、対策型検診として受診することができますので、対策型を利用する場合は年齢に応じて受ける検査を変えても良いかもしれませんね。
胃カメラであれば2~3年に1回、バリウムであれば1~3年に1回の検査が推奨されます。50歳以上の方は定期的に受けるようにしましょう。