伝えるのは苦手だけど、嘘はつきたくない
――おふたりも人の心を動かす側かと思うんですけど、思いを伝えるために、心掛けていることはありますか?
島﨑 声のお芝居の話で言うと、以前から思っているのが、役としてその作品でちゃんと生きること。よくある記号的なものや、どこか体系化された作法みたいなものに添いすぎると、やっぱり生きている感じがしないんですよね。
上手だけど、作り物みたいになってしまいがちなので、その世界が実在していて、その世界に彼らは何十年も生きていて、という中での積み重ねの中に生きているからこその言葉や瞬間に説得力がある気がします。
プライベートでは、お芝居にも少し関わってくるんですけど、やっぱり素直に伝えることは大事だなとは思いますね。社会を生きる中で全てを素直にしていたらまずいこともあるんですけど(笑)。
梶原 お仕事で言うと、気持ちを出すときに相手がいるからこその気持ちでいたいな、と思っていますね。相手のことをよく考えて理解をして、相手が何をしてほしいかとか、自分がどういうふうな気持ちでいれば、心が動いてくれるのかとか、自分が関わる相手のキャラクターや役について考えて、その人のことを考えてやろうとしています。
普段はあんまり気持ちを伝えるのが得意じゃなくて。取り繕うのが苦手なので、僕は思ったことをそのまま言っていますね。
島﨑 漏れ出てるよね、がっくんは。思ってることが漏れ出る。意外と頑固だから伝わってはいるよね(笑)。
梶原 そうですね(笑)。不満なときも出てるんだろうなって。
島﨑 出てる出てる(笑)。「はい」って言ったときに「わかってないときの『はい』だな」ってわかる。納得できてないとか往々にしてあるよね。
梶原 出やすいタイプではあると思います。でもそこもあまり無理して変えたいと思ってないので。
島﨑 悪いことじゃないよね。
梶原 そのまま僕は生きようかなと。嘘をつきたくないなと思います。
取材・文/ふくだりょうこ 撮影/梁瀬玉実
映画カット/©2023「映画ブラッククローバー」製作委員会 ©田畠裕基/集英社
『ブラッククローバー 魔法帝の剣』 上映時間:1時間52分 日本
公開中
原作・総監修・キャラクター原案:田畠裕基(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
配給:松竹ODS事業室
©2023「映画ブラッククローバー」製作委員会 ©田畠裕基/集英社