式壇には安倍の議員バッジと、もう一つのバッジ
令和4(2022)年9月27日、安倍晋三の国葬儀が日本武道館で執り行われた。
この日の午後1時30分、安倍昭恵は、安倍の遺骨とともに、渋谷区富ヶ谷の自宅を車で出発し、自衛隊の儀仗隊約20人が敬礼しながら見送るなか、日本武道館へと向かった。
車は、午後1時46分ごろ、市ヶ谷の防衛省庁舎前の広場に到着した。集まった約800人の自衛隊員らが敬礼して見送った。
武道館の会場には、雪化粧した日本の山々を生花で表現した式壇の上に、柔らかな笑みを湛えた安倍の遺影が設置され、式壇には安倍が着用していた議員バッジと拉致問題解決への思いを込めたブルーリボンバッジが置かれていた。
陸上自衛隊が弔砲を撃った
午後1時55分、昭恵と安倍の遺骨を乗せた車列は日本武道館に到着。陸上自衛隊が弔砲を撃った。約20秒間隔で計10発。武道館周辺には「ドドドン」との大きな音が響き渡った。
遺骨を抱えた昭恵は、正面玄関で、葬儀委員長を務める岸田文雄総理に迎えられた。しめやかな音楽が鳴り響くなかで、岸田を先頭にして、昭恵らが会場内に入ると、参列者たちは起立して迎えた。
遺骨が昭恵から岸田らの手を経て式壇に置かれたあと、皇族も会場に入場された。皇嗣の秋篠宮さまと皇嗣妃の紀子さまを先頭に、秋篠宮ご夫妻の次女・佳子さま、三笠宮家の信子さまと彬子さま、高円宮妃久子さまと長女・承子さまが最前列に着席された。天皇皇后両陛下と上皇上皇后両陛下が派遣された四人の使者も会場に入った。