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私たち夫婦ほど惨めな存在はない……

政治家の妻としての安倍昭恵の特徴は、全く権力欲がないことである。

本文にも書いたが、第一次政権で安倍が辞任を発表した後、総理公邸から自宅へ荷物を運んでいる時、車窓から見える街行く人たちがみんな幸せに映り、「私たち夫婦ほど惨めな存在はない……」と思ったという。 

しかしそう思いながらも、病気が悪化して病室にいた安倍にこう言った。 

「もしこれ以上政治家を続けるのが苦しいようでしたら、お辞めになってもいいですよ。私は、政治家の妻であることに固執はしていませんから」

貧しい中から這い上がってきて権力者と結婚した女性だったら、政治家の妻であること、権力者の妻であることに固執するだろう。それはそれでエネルギッシュで悪いことではないのだが、昭恵にはそれがない。育ちの良さからくるものだろう。 

なぜ安倍晋三は森友騒ぎで「離婚したほうがいい」と言われても完全無視したのか…「妻であり、愛人であり、看護婦だった」昭恵夫人_1
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俺は政治家を辞めない。やらなければいけないことが残っている

安倍も安倍で、優しさを持ったお坊ちゃんという側面がある。言うなれば晋三・昭恵は、育ちのいいお坊ちゃま、お嬢様のカップルと言っていい。もし安倍が神戸製鋼に勤めたままだったら、温和な夫婦として、穏やかに一生を過ごせたかもしれない。 

また、もしこの時、昭恵に言われて、安倍が政治家を辞めていたら、あのような悲劇的最期を遂げることはなかったかもしれない。 

しかし、安倍はきっぱりと答えた。「俺は政治家を辞めない。まだまだやらなければいけないことが残っている」と。 

しかしそれでも昭恵は、安倍がもう一度総裁選に出るとは思っていなかった。母の安倍洋子も体を心配して反対していたということもある。