女子プロレス大賞まで受賞した愛川ゆず季

和泉元彌、泰葉からSnow Man岩本、フワちゃんにクロちゃん。“やらかし”の禊だったプロレス参戦が、旬タレントの爽やかな挑戦に変わった理由_2
女子レスラーとして活躍しているSKE48・荒井優希(写真提供/DDTプロレスリング)

実は近年、芸能界の第一線で活躍するタレント・俳優がプロレスに挑戦する企画は増えつつある。ことに大きな話題になったのはフワちゃんだ。「プロレスがしたい」という本人の要望を発端に、5カ月あまりにわたって練習を重ね、女子プロレス団体・スターダムのリングで見事デビューを果たした。

そのデビュー戦までを追った『行列のできる相談所』(日テレ/2022年10月30日)は、バラエティ的なおふざけは一切なしで真剣にプロレスに向き合う姿が日頃、プロレスを見ない層にも響き、大きな反響を呼んだ。好評を受けて、4月にはデビュー2戦目の様子も放送されている。

「かつては芸能人のプロレスデビューといえば、スキャンダルなどで“お騒がせ”した人が挑戦するものというイメージが色濃かったと思います。おそらくその源流は、2000年代前半のファイティングオペラ・ハッスルでしょう。

お家騒動があった和泉元彌さんや離婚騒動後の泰葉さんなどがリングに上がり、話題をもたらしてきました。どちらかというと、しくじってしまった人がリングに上がることで起死回生を図るストーリーとして見せる意味合いが強かった」(プロレスライター)

だが、その流れは2010年代以降、徐々に変化していく。

「女性芸能人がプロレスに挑戦する流れが盛り上がってきたんです。2010年には当時グラビアアイドルとして人気を博していた愛川ゆず季がスターダムでリングデビューし、2度にわたって女子プロレス大賞を受賞する活躍を見せています。

2011年には元プロボクサー・赤井英和の娘でタレント・モデルの赤井沙希がドラマでレスラー役を演じたのをきっかけにリングデビュー。現在もDDTで活躍しています。そして2017年にはAKB48がドラマ『豆腐プロレス』と合わせて実際の大会を開催するまでに至りました。

この背景には、プロレス人気が復活し、“プ女子”という言葉が広がってプロレスのイメージ自体が変わっていったことも大いに影響していると考えられます」(同)