想像もしていなかった楽しいことが起きる
——阿賀沢先生にとって、ファンの方はどんな存在ですか?
ファンの方……と自分で言うのはちょっと照れるんですが(笑)、応援してくれている方の支えをすごく感じています。
『氷の城壁』を最初に描き始めた頃は、LINEマンガのアプリで連載されているたくさんの漫画の中からなかなか見つけてもらえなくて。でも完結するまでの間に読んでくれる方がどんどん増えていったんですよ。
読んだ人がシェアしない限り、そんなふうには増えないので、本当にその方たちに助けてもらった、と思っています。
——ファンレターは、やはり登場人物たちと同じく、中高生の方からが多いのでしょうか?
中高生の方からもですが、大人の方からもたくさんお手紙をいただきます。なかには、「普段は漫画を読まないのですが」という書き出しの方もたまにいらっしゃるんですよ。時間つぶしにスマホを見ていてたまたま読んだ、ということなのかなと思うんですが、それもウェブトゥーンならではのことだと思うので、ありがたいなと思いました。
主婦の方もたくさん読んでくださっていて。先ほどお話した「紙の本にしてほしい」という方の理由として、「子どもに読ませたいから」というのもあったんですよ。それも嬉しいですよね。高校生よりも下の年齢になると、そもそもスマホを持っていなくて読めなかったりするので。
あっ、今回『氷の城壁』が紙の本になることが、当時「紙の本にしてほしい」と言ってくれていた方に伝わるといいなと思っているんです。完結から1年経っているので…伝わるかちょっと不安で(笑)。
——連載でお忙しい中で、今楽しいと思っていることや、これからやってみたいことがあれば教えてください。
漫画を描いて、載って、『正反対な君と僕』で初書籍を出せた時点で楽しくて、ホクホクしていたんですよ。そうしたら、『氷の城壁』が「ボイスコミック」になったり、「ジャンプフェスティバル」で鈴木と谷のパネルを作ってもらったり、『氷の城壁』と『正反対な君と僕』のコミックス共同でグッズを作ることになったり…「そんな文化があるんだ!」みたいな想像もしていなかった楽しいことが起きるんです。
自分の描いているものに対して、周りの方たちが動いてくださる感じになんだかドキドキして…すごく嬉しいです!