SNSのプロフ欄に要注意

詐欺を生業にしている犯罪グループのメンバーによれば、ここ10年くらいはネットでターゲットとなる人間を捜すのが主流だという。特殊詐欺グループにいた過去のあるA氏は次のように語る。

「SNSのプロフの欄に発達障害だとか、精神科に通っているとか、借金いくらみたいなことを書いている子って結構いるでしょ。最近はマイノリティーが一種のブランドになるというか、そういうことを書いておけば、ちょっとかっこいいみたいな風潮があるんですよ。

俺らがカモにするのは、そういう人間たちです。彼らは健常者と比べて明らかに騙されやすい。発達障害だとか、精神科に通っているなんて書く奴は、自分でカモにしてくれってアピールしているようなものです。俺らはそういう人間たちにDM(ダイレクトメール)を送って近づくんです」

特殊詐欺のターゲットになりやすい「高齢者」と「障がい者」――社会的弱者の詐欺被害を最小限に抑えるために必要なこととは_3
すべての画像を見る

プロフ欄の学歴や職歴なども同じだ。特別支援学校の卒業生であったり、障がい者用の事業所で働いていたりすることを書いていることがある。これは、詐欺をする人間からすれば、格好の情報なのだという。

また、先の賢一の件のように、犯罪グループがオンラインゲームでターゲットを捜すこともあるそうだ。オンラインゲームで相当課金をしているような人は、金銭感覚が弱く、周りに監視役の大人がいないケースが少なくない。そもそも障がいのある子はゲーム依存になりやすい。オンラインゲームの中からそういう人を見つけ、チャットで情報交換した後に誘い出し、食い物にするのだ。

さらにいえば、障がい者用のコミュニティーサイトやマッチングアプリも悪用されることが多いという。こうしたサイトでは、障がいのある人たちが「出会い」を理由に簡単に個人情報を交換する。犯罪グループはそこに目をつけ、恋人募集などといって登録し、連絡をくれた人間を狙い撃ちにする。

先の正也の親は言う。

「障がい者をよく知る人たちの間では、ネットで詐欺に遭ったとか、変な人に誘い出されたといった話は珍しくありません。後々聞いてみると、なんでこんなありえない勧誘に騙されるのよと不思議に思うレベルのものもたくさんあります。でも、そうしたことに騙されてしまうのが障がいのある子たちなんです。

昔は周りにいる人たちがきちんと見張っていれば、詐欺の被害はかなり防げました。でも、今は本人がスマホ一台持っているだけで、ゲームやら、SNSやら、いろんなところから詐欺に狙われてしまいます。そして被害は膨大な請求が何か月かして届いてからでなければわからない。発覚した時には遅いんです」