ウーマナイザーとの違いは?

いく夫さんが吸引バイブの人気に火をつけたことで、他の同じような機能の商品も売れ始め、それらがまとめて「吸うやつ」と呼称されるように。当初はいち商品の通称として使われていたが、いつの間にか吸引機能のついているグッズ全般を指す総称として使用されるに至った。

「これまでにもウーマナイザーなどのブランドから吸引式のバイブは販売されていましたが、販売価格2〜3万円と高価だったためにあまり浸透していませんでした。その後、『Tara吸引バイブ』が人気になったことで吸う機能のおもちゃの知名度が上がりました。ですが、あまりにもシンプルな名前にしてしまったために、すべての吸引バイブの呼称となり、類似品も“吸うやつ”として販売されたりもしていました」

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上部の穴の部分がクリトリスを吸うために「吸うやつ」と呼ばれた

シンプルな名前ゆえに他の商品がこぞって「吸うやつ」を名乗るという事態が発生。そして、商品とは全く関係のない会社が商標登録をしてしまい、先行して販売されていた「Tara 吸引バイブ」が正式な商品名として「吸うやつ」を名乗れなくなってしまったという。

「2022年夏頃、商標を見てみると申請中だったので、代理人を通して異議申し立てしました。グッズがAmazonで売れ始めた時期と、僕がブログを書いて紹介し始めた時期が近かったため、それを証明する書類を作って提出したのです。商標は基本的に早い者勝ちのルールなので結果的にはダメだったのですが、そんなに有名なのかと思い知らされました」

波瀾万丈な経歴を歩んでいるこの名前について、いく夫さんはどう感じてるだろうか。

「もし自分が会社をやっていて、これを生業にしているなら非常に困りますが、僕自身はメーカーの人間でもないですし、これで食べていこうとしているわけではありません。なので、直接的な被害があったわけではないです。あくまで遊びでやっているので、おもちゃや名称がいろんなところで使われたり拡散されたりして、最終的にアダルトグッズの裾野が広がれば、それでいいのではないかと思います」