バイアグラの普及も要因? 増えた女性の性交痛
「bda ORGANIC」は、オーガニックの力でセックスにまつわる悩みや違和感を解消してくれるセクシュアルウェルネスブランド。鈴木さんがこのブランドを立ち上げた理由は、ブランドローンチ(2017年)の4年ほど前にさかのぼる。
産婦人科医の女性医師から、「バイアグラの普及により、更年期以降の潤い不足によるセックス時の膣の痛みを訴える人が増えている。安心安全な基準をクリアしたオーガニックのセックスローションがあればよいのに…」という意見をもらったのだ。
この声に共感し、日常生活の中で手軽に使用できるオーガニックセックスローションの開発はスタートした。
化学成分を膣内に入れたくない
鈴木さん自身、化粧品などのブランド開発はしてきたものの、セックスアイテムのブランドの立ち上げは初めて。そのため当初は知らないこと、知って驚くことの連続だったという。
そもそも、世の中的に「セックスローション」自体の認知が低かった(ノーマルカップルにとっては、行為中に使用する概念はあまりなかったとされる)。しかし、たまたま鈴木さんが当時LGBTのNPOに参加しており、ゲイカップルに常用されていたローションの情報を知り得たため、開発を推し進めることができた。
だがそこで、もう一つの壁にぶつかる。
それまで世に出ていたローションは、化学成分を用いた製品が圧倒的に多かったのだ。鈴木さんは、自分自身でも使うものとして、どうしても化学成分を膣内に入れることに抵抗があった。
「絶対に女性たちに必要とされる。そして安心できるものでないと選ばれない時代が来る」。当時、女性がローションを使うこと自体あまりなかったようだが、周囲の女性たちの話からニーズがあることを確信していた。
とにかく女性も快適に自分らしく過ごすべきという強い思いで、“オーガニックの”セックスローションを開発することにこだわった。