「いいね」よりも「おもろい」を重視した商品開発

また、人気アニメや漫画とのコラボも積極的に行い、話題化や店舗集客に向けてのマーケティング施策にも力を注いでいる。

『鬼滅の刃』とのコラボで配布されるオリジナルグッズは毎回売り切れが続出したり、最近では『ちいかわ』や『SPY×FAMILY』といった人気アニメとタイアップしたプロモーションを展開している。

「単にコラボするだけではなくキャラクターが寿司を持ったり、くら寿司の店員に扮したりとディテールや世界観にもこだわって、お店に来たくなるような魅力やインパクトを引き出せるように工夫を凝らしています。

これまでは『100円でこんなに美味しい寿司が食べられるのか』というのがお客様の“WOW体験”につながっていましたが、最近は競業他社の増加や安くて美味しい食の充実ぶりから、お客様の目と舌が肥えてきているというのが現状です。

そのため、『ビッくらポン!』で人気アニメグッズが当たるワクワク感や意外性など、お客様の感動をいかに生み出せるかを常に考え、コラボ施策を実施しています」

「くら寿司」広報が本当は教えたくないとまでいう“イチオシ”寿司ネタとは?「いいね」よりも「おもろい」を追求する商品開発を貫く「くら寿司」人気ネタベスト5_2
「くら寿司×『鬼滅の刃』コラボメニュー あぶりえびバジルチーズ」115円(税込) 販売期間:2023年4月21日(金)~2023年6月8日(木) ※一部商品は予定数量に達し次第、販売終了となります。©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable


大ヒット中のアニメや漫画のコラボグッズを求め、子供のみならず大人も「ビッくらポン!」に夢中になるわけだが、2009年に『ONE PIECE』の映画『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』とタイアップしたのが、ひとつのターニングポイントになったそうだ。

「それまでは子供向けに『プリキュア』や『仮面ライダー』などとのタイアップを行っていたんですが、大人から子供まで幅広いファン層を抱える『ワンピース』とコラボしたことで、『くら寿司でしか手に入らないオリジナルグッズ』のニーズが一気に爆発しました。ワンピースに関しては、映画作品に続いてテレビアニメとのコラボも行ったほど、非常に好評をいただいております」

商品開発やマーケティングで意識しているのは、「いいね」よりも「おもろい」かどうか。インパクトを重視し、思わず手に取りたくなる、お店に行きたくなる。

そんな気持ちになるような、粋なセンスを大事にしているという。