1日でギャラが5万の撮影も

子育てをしながら月10本も出演するのはなかなかタフな生活だが、肝心のギャラはいくらぐらいなのか。一般作品のエキストラのギャラよりも高いのだろうか?

「一般作のエキストラは日給5000円ほどが相場だと言われていますよね。1時間で終わっても丸一日かかっても同じギャラで、一日撮影の場合は決して割のいいバイトではないため、一般作からAVに移ってくる方もいるほどです。
私の場合はメーカーさんが基本的に時給1000円以下にはならないような計算をしてくれていて、2時間拘束で5000円という時もあれば、千葉や山梨などの遠方のスタジオで丸一日拘束されて5万円というときもありました」

アダルト業界“伝説のエキストラ女優”のギャラ事情。「遠征で日給5万円、遺影用の写真提供で5000円」「身バレの心配はしていません」夫も子どももいて仕事と育児を両立_2
制作スタッフからLINEで仕事依頼が入る。月末に撮影が集中することが多いという

なかには、亡くなった母親の遺影用に写真を提供しただけで5000円をもらったこともあったそう。確かに一般作品より割はよさそうだが、新城さんにとってこの仕事のやりがいはお金ではない。

「やはりアダルトの世界が好きだからにほかなりません。AVの夢や妄想溢れる世界観、それらを真剣に考えて作ろうとしている人たちが好きなんですよね。業界の作り手は外の人が思う以上に真剣にアダルトに向き合って作ってます」

そんなガチな制作現場にあって、脇役ながらも新城さんの芝居が高く評価されることも少なくない。

「ある作品で、私が『女性の権利を守る会』の委員長的な役を演じたときに、審査団体(“適正AV”であるかを審査する団体)の方から監督のもとに『この委員長役の女性があまりにも真に迫っているが、実際の人物なのではないか?』と問い合わせがきたそうです。
こういう話を聞くと、フィクション作品に妙な真実味をプラスできた気がして嬉しいですし、やりがいを感じます」