若者、女性が活躍しない地方議会に未来はない

永井さんは今回の統一地方選挙に当選したことで、5月からはその議員と同じ議会で働くことになる。

「挨拶はしているんですけど、これからどうなるかはわからないですね。でも味方は仲間たちですね。立憲民主党の先輩たちには『何かあったら言ってきてね』と言われています」

現在30歳。選挙を通し、若い世代、特に女性が政治に参加することにまだまだ壁があることにも改めて気づいた。

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「当選した今、これからが大事」と話す永井さん

「政治はまだまだ男性社会であるとは感じます。私がまだ若いということもあるんですが、高圧的な方も中にはいて、発言をしづらいときもあります。根本的に、女性がする仕事ではないと捉えている方もまだいます。『政治家は、やっぱり男性の方が安心する』『女性は感情で物を言うから、あんまり信用できん』という声は聞こえてきます」

永井さんのように若い女性が政治に参加するためにはなにが必要なのだろうか。

「私は選挙に出た時には『そんな若さで大丈夫なのか』『何も経験していない人間に何ができるのか』とかなり言われました。でも若い世代のことが分かるのは、当事者に近い年代の人間だと思います。なので、そうした言葉に諦めないこと、そして周りのバックアップが大事です。いじめもそうですが、屈しないことが大事です」

永井さんには選挙期間中の印象的な出来事があったという。

「選挙カーで回っていると、中学生や高校生の子が近寄ってきてくれて『一緒に写真を撮りましょう』となったんです(笑)。『まだ中学生で選挙権はないんですけど、あのチラシください』とか応援してくれたんです。
一方で『選挙権はないけど、政治家の人がもうちょっとわかりやすく話してくれたら、私たちももう少し政治のことがわかるかもしれないね』と話をしていたんです。私自身勉強中の身ですが、わかりづらい面もある。政治をもう少しわかりやすく噛み砕いて伝えられる政治家になれたらと思います」

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議員の高齢化、男性偏重、なり手不足の地方議会に永井さんが風穴を空けてくれることを期待したい
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女性であり、若手であり、そして偏見にも負けず当選した永井さん。地方政治に新しい風を吹かせるだろうか。

前編「なぜミスFLASHのグラドルは政治家になったのか?」こちら

取材・文/徳重龍徳  撮影/村上庄吾