モスクが増えるとインド寺も増える

前回の記事でも書いたように、近年の日本では在日外国人の増加にともなって、イスラム教の信仰施設であるモスクが急増している。全国のモスク数は2021年10月時点で113施設におよび、10年前と比べて約1.6倍も増えた。

ここ1年で下妻と坂東に在日インド人が集まるヒンドゥー教寺院が続々とできた背景についても、おそらくモスクの増加が間接的に関係しているようだ。2022年6月時点で在日インド人は約4万人、在日ネパール人は約12.6万人いる。もちろん彼らのすべてがヒンドゥー教徒ではないにせよ、それでも潜在的にインド寺に集まり得る人たちは、日本国内に数万人もいるのだ。

「2019年からはインド人の技能実習生の受け入れがはじまってる。これから、インド人がもっと増えると思う。お寺も増えると思います」

そんな話も出た。インド人の技能実習生は、現時点ではコロナ禍の影響もあって人数が伸び悩んでいるそうだが、従来の外国人労働市場では最大勢力だったベトナム人が、自国の経済発展や日本経済の停滞を理由に日本での出稼ぎから徐々に離れつつあることを考えると、今後はインド人技能実習生が増える可能性もある。結果、日本に一定期間滞在するインド人の数は、もっと増えるかもしれない。

インド人の多くは、宗教なしでは暮らせない。今後はモスクの増加のみならず、ヒンドゥー教寺院の増加も注目するべき話題になるのではないか。

取材・文/安田峰俊 撮影/Soichiro Koriyama

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