「嘘だとわかっていても…」繊細なファン心
――ファン心理とは、難しいものですよね。
いずれにしても、推される側には上手な嘘をついてもらいたいなと思います。恋愛をしている一面をファンに見せなかったというだけで、決して嘘をついていたわけじゃないと分かってはいるのですが、やっぱり彼氏彼女の存在が発覚すると裏切られたと思い、ショックを受けてしまうので。
たとえば作中に出てくるキャラの“りこめろ”に関しては「自分が信じるものが正解であってほしいから、たとえ嘘だとわかっていても騙され続けるほうが幸せ」みたいな思想が根底にあったりして。ファンとしては、せっかくなら気持ちよく騙されたいんですよね。
――『ガチ恋粘着獣』作者であり、ガチ恋経験者の星来さんから、ガチ恋をしている方々に向けてアドバイスをお願いします。
結論から言えば、やめたほうがいいとは思います。99%が成就しないので。しかも、ガチ恋って段々としんどくなるんですよね。好きで推していたはずなのに、全然楽しくなくなってしまうという。でも「やめろ」と言われてやめられるものでもないですし、私からは「頑張ってください」としか……。

私も自分の過去を振り返りながら作品を描いていて、ときどき「あれ(ガチ恋)って、結局なんだったんだろうな」と思うことがあります。だから本作でガチ恋をしている登場人物たちはみんな、答えを持たないまま突っ走っちゃってるんですけど。
結局、ガチ恋の先に感情の落としどころを見つけられたら、それだけで十分“勝ち”だと思うんです。「若気の至り」でもいいし、「楽しかった思い出」でもいいし、それこそ「二度とやらん!」でもいいですけど。自分の心を救うために、なんとか気持ちに折り合いがつけられたらいいですよね。“正しい終わらせ方”なんてものはないと思うので。