女子は合格者の22.7% 飲み会の一発芸は「和歌を一首」
2023年3月10日、東大の合格者に占める女子の割合が22.7%で過去最高となったというニュースが飛び込んできた。
2010年代前半、長らく女子合格比率が2割に到達していなかった時代に東大に通っていた筆者からすると、「ついに2割を超えたのか」と感慨深い。
その一方、男女共同参画の時代に、まだ「4人に1人」の水準にも届いていない現状に、「私が通っていたころと、キャンパスの雰囲気は大して変わらないんだろうな~」と、なつかしさも、もどかしさも感じながら、男子が大半だったキャンパスの食堂を思い出す。
特に理系は女子が少なく、「30人のクラスに女子が2、3人」ということも珍しくない。東大に女子が極端に少ない背景には、結婚・出産といったライフイベントの影響を受けやすい女子が「手に職を」と医師を目指したり、浪人を回避するために確実に合格できそうな大学を受験したりするといった事情がある。また、家族から「学歴が高すぎる女の子は結婚できない」と懸念されるといった実態もあった。
確かに東大女子は、結婚どころか、彼氏をつくることすらひと苦労かもしれない。
実際に、私が学生のころ、東大女子3人で大学のキャンパスから近い渋谷のバーで飲んでいると大学生らしき男子2人が近寄ってきて、そのうちの茶髪の男子が「みんな、大学生? どこ大?」と聞いてきた。
友人が「東大です」と答えると「あっ……すいません」と、謝って去っていってしまった。もちろん彼らは何か悪いことをしたわけではない。
そんな調子なので、東大女子の出会いの場は必然的に東大内に限られがちなのだが……
「東大生の飲み会の待ち合わせの定番は、数々の若者が行きかう渋谷のマークシティーの下、略して『マーク下』。ここには、黒髪+眼鏡+チェックシャツの男子率がやたらと高いので、一目で東大生のグループとわかる」(東大OG)
「文学部の飲み会で参加者がそれぞれ一発芸を披露することになったとき、『歌舞伎の一節を披露させていただきます』『和歌を一首詠ませていただきます』なんて芸が続いた」(文学部女子)
このような、“イカ東”(いかにも東大生)ならではの懇親を深めることもしばしばだ。