咽頭をクリアに撮影するための専用カメラ
nodocaが患者に提供するのは、「痛みが少なく、判定開始から数秒〜十数秒で判定結果を得られる検査」だ。
nodocaを使ったインフルエンザ検査では、まず土台部分に小型のモニター、筒の先にレンズがついた専用カメラを患者の口の内に挿入し、咽頭(喉の奥)を撮影する。カメラは後述するAI解析に適した咽頭画像をクリアに撮影するために独自に設計・開発されたものだ。
この画像と問診情報等が安全なクラウド上にアップロードされ、AIによりインフルエンザに特徴的な症状や所見が発生していないかチェックされて、即座に判定結果として返ってくる。
AIは延べ100以上の医療機関、1万人以上の患者の協力のもと収集された、50万枚以上の咽頭画像を元に開発されている。
カメラで撮影するだけなので、従来の検査と比べて、痛みはほとんどない。672人を対象に治験を行ったところ、痛みの評価は10段階で0.8と非常に軽く、治験参加者の90.6%が「今後はnodocaの検査を受けたい」と回答したという。
また、判定開始から判定結果が得られるまでが数秒〜十数秒と短いことも、大きなメリットとなる。患者にとっては待ち時間が大幅に縮まり、それは医療機関側も患者に対応するリソースが減るということでもある。特に、いまだ続くコロナ禍で医療機関の負担が大きい社会状況下では、大きな助けになるだろう。