彼らの夜明けを見届けてもらえたら
――桑原先生としては、この作品を特にどんな方に読んでほしいとお考えですか。
どんな方にも読んでほしいです。
少し心が渇いたなと感じる方、デジタルに疲れアナログな手触りに飢えてる方、せわしい日々の生活の中で自分に戻る時間がほしい方、通勤通学病院の待ち時間を埋めたい方、昭和の空気に浸りたい方、心躍る物語に没入したい方、汗かいて格闘した人たちの息づかいに触れたい方、こういう作品からしか得られない栄養を摂取したい方、明日がんばるための心の糧を補給したい方……、どんな方にも読んでほしいです。
――読者へのメッセージをお願いします。
終戦直後からの昭和三十年代は、あまりなじみがないと感じる方も多いと思いますが、今と地続きの時代に生きてる人たちのドラマとして読んでもらえるかと思います。
群青と赤城の生き抜く様は、決して過ぎ去った時代のモノクロ写真ではなく、今も鮮やかに躍動するリアルそのものだと感じながら、書きました。
彼らの夜明けを見届けてもらえたらうれしいです。
取材・文/増田恵子