女性向けラノベの需要が急上昇! その背景にある漫画アプリの存在
これまで男性読者が中心だったライトノベル市場に、大きな変化が起きている。ここ数年で女性向け読者が急増、その中でも異世界ファンタジー系の作品がウケにウケているのだそうだ。
実際、日本最大級のWeb小説投稿サイト「小説家になろう」の上位ランキング作品のほとんどが女性向け。特に破滅フラグ系や、悪役令嬢もの、中華風ファンタジー(後宮もの)の隆盛が目立っている。
この理由を「Dノベルf」の担当編集は次のように分析する。
「スマホで読む人が増えたことが影響しているのかなと思います。それと、漫画アプリの普及により、コミカライズされた作品にまず出会って、そこから原作のライトノベルを読んでくれる方が非常に増えました。
特に20代半ば〜30代女性の方々が増えたことにより、7〜8年前から男性読者に受けていた“異世界もの”が3〜4年前ぐらいから女性読者にもウケるようになった印象ですね。漫画にも小説にもそれぞれの良さがあって、それらが対立するのではなく、相互作用を起こしているのは間違いありません。もはや切っても切れない関係性になっています」
9月5日(月)より始動する新シリーズ「Dノベルf」の刊行には、このような市場の盛り上がりが影響しているという。ただし、単に市場が盛り上がっているからという理由だけではないと、次のように続ける。
「もちろん読者が求めるものに対応していきたいという思いはあります。
ただ、ラノベ作家さんの幅広い才能を受け止めていく、1つの場所になればいいなとも思っているんです。作家さんには、それぞれに得意・不得意があるでしょうし、それに合わせてレーベルを選び、創作してくださっているとは思うのですが、全く受け取れない才能があるのは編集部としても嫌だなと。
だからこそ、今回スタートする新シリーズによって、1人でも多くの作家さんが才能を開花できる場所を大きく広げられたらいいなと思っています」(担当編集)