食中毒などの安全面は?

消費者目線でいうと一番気になるのは安全面だ。ネットでも「食用コオロギには大量の雑菌がついている」「食べると食中毒になる」といった噂が飛び交っているが……。

「まず菌についてですが120度の熱で15分以上殺菌しています。一般的なレトルト食品では120度以上で4分以上の加熱することでボツリヌス菌が死滅するとされています。それ以上に行っているわけです。これまでに何らかの菌が発見されたことは一度もありません。もちろんどんな食品にもアレルギーはありますから、これが絶対にないとは言いません。特にエビやカニのアレルギーを持つ方はアレルギー症状を起こす可能性があるのでそれは明記しています」

SDGsが注目されることから、昨今はコオロギ食や商品を取り扱う企業も増えているが、実際に企業のイメージアップにはつながっているのだろうか? また「グリラスには国から多額の補助金が出ている」とネット上で揶揄されているが、実際はどうなのか?

「企業の宣伝効果については弊社が答えるべきではないと思います。ですが、コオロギ食を使うことで単純に企業イメージが上がるか言うとそれは違うかなと思います。なぜならコオロギを使う企業といったイメージにネガティブな印象を持つ人もいるからです。
それから補助金についてはまったくの憶測に過ぎません。新しい形の食品を開発するほかのフードテックと同様の補助金はありますが、昆虫だからコオロギだからといって多額の補助金が別途出ることはありませんよ」 

〈徳島・コオロギ給食騒動〉コオロギ加工会社に「菌は大丈夫?」「補助金をもらってる?」全部聞いた! 高校は「保護者からのクレームは1件もないですが、昆虫食を扱う予定はありません」_5
オンラインショップなどで販売されている乾燥コオロギ
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良くも悪くもコオロギ食が注目されているということだろうか。

「弊社には常に試供品のコオロギがあって、今は素揚げのコオロギが置いてあります。サクサクして美味しいですよ。私も毎日コオロギを食べています。ただ、繰り返しますが、弊社としてはあえてコオロギ食を推しているのではなく、食糧危機に向けてやれることのひとつとして必死に取り組んでいるのです」

私たちの食卓にコオロギ食が並ぶ日も近いのだろうかー。
コオロギ論争はまだまだ続きそうだ。


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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班