現代のブリーフ着用率は「7人に1人」
まずは、「ブリーフパンツ」について少しおさらいしておこう。
ブリーフは1950年代頃、米国から日本に入ってきた。それまでの日本人の下着といえば、「ふんどし(褌)」や「さるまた(申又・猿股)」。そんな中、海外からやってきたブリーフは、“最先端のおしゃれな下着”として若者を中心に支持を集めた。そう、ブリーフはかつて若者のファッションアイテムだったのだ。
流れが変わってきたのは、1980年代に入ってから。ブリーフに代わり当時の若者に人気を博したのが、トランクスだった。デザインが豊富でファッション性の高いトランクスは、当時流行した“見せパン”スタイルとしても使いやすく、多くの男性が愛用するようになった。
だが、近年のトランクスの着用率は、以前に比べると落ちてきているそうだ。代わって台頭してきたのが、ボクサーパンツ。武安氏によると、現在もっとも男性からの支持を集めているのはボクサーパンツで、市場での割合(数量ベース)は40%以上に達するという(グンゼの調査による)。
では、ブリーフはどうなのか。
「現在、ブリーフの割合は約15%で、そのうち白ブリーフは半分くらいです。たしかに昔に比べると減ってはいますが、実はここ5年ほどはそれほど大きく変わっていません」(武安氏)
15%ということは、だいたい7人に1人。白ブリーフはその半分だから、約15人に1人が穿いていている計算になる。
100人中7人が穿いているのであれば、多くはないにしても、絶滅危惧種と呼ぶほど少ないわけではない。また、武安氏によるとこの割合は数年安定していると言うのだから、数年後にいきなりゼロになるようなこともないはず、だからこそグンゼは、現在でも白ブリーフを販売している、とのことだ。