“ネットで話題”は本当に話題? フェイクニュースの温床になる「こたつ記事」を法政大学ゼミ生が調査。「記者も正しい情報なのかわからないまま発信されている」_2

「こたつ記事」であることを巧妙に隠している?

ネットメディアから始まったこたつ記事は、ブログやネット掲示板のみならず、現在ではスポーツ紙などの既存メディアにまで広がっている。

藤代ゼミでは、「こたつ記事を見分けることでフェイクニュースにだまされないスキルを身につけることができる」と考え、調査を開始した。

まず、こたつ記事の定義を「取材や検証をしていない」「芸能人などの有名人の情報が対象になる」「テレビやインターネットの情報をもとにしている」と設定した。

2022年9月24日~9月30日の1週間、「Yahoo!ニュース」のトピックス(国内、国際、経済、エンタメ、スポーツ、IT、科学、地域)に掲載された621件の記事を対象にした。

ゼミ生8人が2人1組で記事の特徴を分析。上記の3つの特徴全てに当てはまった場合、「こたつ記事」であると分類した。

結果、2人とも「こたつ記事である」と分類したものは621件中76件あった。一方で、2人の分類が異なったものが143件、2人とも「判定不能」と分類したものが19件もあった。

調査にあたった3年の中野日菜子さんは「判定が難しかった記事は、こたつ記事であることを巧妙に隠しているのではないかという印象を受けました。(こたつ記事と分類した記事の)ジャンルでは『エンタメ』や『スポーツ』が多いと思いきや、『国際』まで幅広くあったのが意外でした」と振り返った。