放送局は3つだけチェックすればいい
海外のメディアもいまひとつ信用できないが、中東カタールのドーハに本社を持つ「アルジャジーラ」は、信用に値する数少ない放送局の一つだ。反米でもなく中立的で穏健、そのうえ速報性で群を抜いている。
“The one opinion and the other opinion(1つの意見があれば、もう1つの意見がある)”のキャッチコピーが示すとおり、意見の多様性を認めているのも特徴的だ。
基本理念や信条に縛られた日本の新聞社とは大きく異なる。それでいて「アラブの春」を肯定的に扱っていたりと、人道的、民主主義的価値観を重んじている。「アルジャジーラ」の最大の顧客の一つがNHKだと言われている。NHKはアルジャジーラから映像使用権を買っているのだ。
少し捕捉しておこう。アラブの春の引き金となったチュニジアのジャスミン革命(2010〜2011年)が起きたきっかけは、政府に抗議して焼身自殺する露天商の動画だった。フェイスプックに投稿されたその動画をアルジャジーラが紹介したことで、チュニジア国民の怒りに火がつき、最終的にベン=アリー大統領の政権が倒れた。
メディアが政治を劇的に動かした顕著な例と言えよう。中東だけでなく、世界で何が起きているのかを知る媒体としては、アルジャジーラは欠かせない。もちろん経済関連記事もデータ等がしっかりしており、筆者が最も信頼する媒体の一つである。
ほかには、BBCも信頼できる。BBCは公共放送局であり、政府系媒体と考えていい。その点は多少気になるが、故意に虚偽の事実を流すことはなく、とくにデータ面では全面的に信頼が置ける。
日本なら先に述べたNHK一択だろう。放送法の遵守を求められる法人であることが大きい。したがって、放送局だとBBCとNHKにアルジャジーラを加えた3つになる。
残りのテレビ局は、情報の一部を切り取って本質を偏向し、つまみ食いのような報道ばかりで信憑性に欠ける。