「まだ新人なので」「我々ではなく国民がどう思うか」…
歴史的前例にも他人事の議員が多数
一方、回答がなかった議員は、40人中35人にものぼった。
20人の1期生がいる自民党は、生稲晃子氏(東京)をはじめ18人が無回答で、数度問い合わせたが期日内に回答を得られなかった。広瀬めぐみ氏(岩手)は、メールやSNSで簡単にやりとりができる時代にもかかわらず「遠方におり回答が難しく、今回は差し控えさせていただきます」。
一方、「1回で『除名』もやむなしだ」(斎藤嘉隆参院国会対策委員長)と、強気の姿勢も見せていた立憲民主党。党幹部とはうって変わって、1期生は全員が無回答だった。辻元清美氏(比例)は「参議院の予算委員会にも選ばれて仕事が立て込んでおり、回答の時間を取るのが難しく、今回は控えさせていただきます」。
野党系無所属の三上絵里氏(広島)は「まだ新人議員のため、他の議員に関する回答は差し控えさせていただきたいです」。
「年金未納」報道や、国会での新曲PRで物議をかもした日本維新の会の中条きよし氏(比例)の事務所は「こういうことは我々ではなく、国民の皆様がどう思うかだと思うので、今回は回答を差し控えさせていただきます」として、「中条氏自身がどう思うか」には答えなかった。
同じく維新の青島健太氏(比例)も「現在、党内で議論が進んでいる最中のため、対外的意見を控えさせていただきたく存じます。また、党内意見がまとまりましたらコメントさせていただきます」と、そろって「無回答」を貫いた。
NHK党の立花孝志党首からSNS上で批判されている参政党の神谷宗幣氏(比例)は「特段表明する意見はございません」とするにとどめた。
欠席を続けるガーシー氏と、そのことについてほぼ全員が自身の意見を表明しない1期生を識者はどう見るか。
法政大学大学院の白鳥浩教授(現代政治分析)はガーシー氏について「正当な理由なく国会を欠席し続けていることは、国会法の規定に引っかかる。ガーシー氏に期待して投票した有権者も、彼が国会に出てきて、国会のあり方を変えることを望んでいたのではないか」と批判。
一方で、ガーシー氏に関するアンケートに回答しない議員が多かったことについては「有権者に選ばれた議員を除名することは、非常に重い行為で、実現されれば、歴史的前例になる。懲罰委員会に付される理由として国会法に定められている『正当な理由がなく会議に欠席』の範囲が今後、拡大解釈されていく恐れもある。有権者が与えた議席を奪うということをどう捉えるのか、議員一人ひとりが判断を真摯に考えるべきだ」と指摘した。
“同期”たちの声をガーシー氏自身はどう捉えるだろうか…