――糖分以外に気をつけたい物質はありますか?
パンや麺類(ラーメン・うどん・パスタ)に含まれるグルテンがあります。グルテンとは、小麦粉に水を加えてこねることでできる成分のことで、タンパク質です。
――多くの人にとって日常食ですが、注意しなければならないのですね……
というのも、グルテンは腸の粘膜に穴を開けます。その穴から不要なものや本来排除すべき有毒物質がどんどん体内に取り込まれていき、血流に乗って全身を巡るようになってしまいます。これをリーキーガット(腸漏れ)症候群と言います。
腸は細胞同士が硬く密着し、結合することで不要物の侵入をブロックしていますが、栄養を吸収するためには、この腸の結合を必要に応じて適度に緩めなければなりません。
この結合を緩める働きをするのがゾヌリンという物質です。ゾヌリンは門番のような存在で、普段は体に有益な栄養だけ門を開いて通過を許します。
ところが、グルテンを日常的に摂取すると、このゾヌリンが過剰に分泌されます。その結果門は常に開きっぱなしの状態になり、招からざる客まで体内に侵入することを許してしまいます。ゆえに、腸漏れを起こさせないためには、まずは小麦製品をできるだけ避けることです。
今回紹介させていただいた予防法は一部です。アルツハイマー病の発症には若いころからの生活習慣が大きく関わっています。長い時間をかけ、じわじわとやって来る、しかも個人差もあります。30代でも早くはありません。早め早めに対策をうって健康な人生を送りたいものです。
取材・文/集英社オンライン編集部