人間関係を作るために心がけているたった1つのこと

【漫画あり】毎日全裸でバットを振り、飼い猫まで殺した男と向き合う…精神障害者の説得を続ける男・押川剛が危惧する対応困難な患者さんほど見捨てられる現実。「この国では、資格を持つとルールで行動が縛られてしまう」_8

――仕事を始めたころは、対象者に刺されたこともあると聞きました。説得移送で「会った瞬間に人間関係を作る方法」とはどのようなものですか。

彼らは嘘に敏感なので、本当のことを言うことです。

ただし、「お前は病気だ」ではなく、本人にしか向けられない本質的な言葉が必要なので、そのために徹底的な視察調査があります。親はもちろん、場合によっては小学校、中学校の担任の先生にも会いに行って調べ上げたうえで、長年引きこもったどうしようもない姿と直面したときに、彼らの生きてきた物語に対して、もっともシンプルな感想が出てきます。例えば、「お前、死にてえのか?」というように。

これは医療従事者や行政の人たちには使えない言葉です。この国では、資格を持つとルールで行動が縛られてしまいます。でも、本当に思ったことをそのまま言えれば、そこに反応が出てくるんですね。「死にたくない…」という方がほとんどですよ。

ただ、そういった人間くさい部分で患者さんに介入することですら、いまでは人権団体から暴力だ、ハラスメントだと言われるようになりました。そうなると、いよいよもう彼らを助ける手段はなくなってしまいますね。

1巻【精神障害者か犯罪者か】荒井慎介のケース

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【漫画あり】毎日全裸でバットを振り、飼い猫まで殺した男と向き合う…精神障害者の説得を続ける男・押川剛が危惧する対応困難な患者さんほど見捨てられる現実。「この国では、資格を持つとルールで行動が縛られてしまう」_9
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取材・文/森野広明

『「子供を殺してください」という親たち』1巻(新潮社)
原作:押川剛 漫画:鈴木マサカズ
【漫画あり】毎日全裸でバットを振り、飼い猫まで殺した男と向き合う…精神障害者の説得を続ける男・押川剛が危惧する対応困難な患者さんほど見捨てられる現実。「この国では、資格を持つとルールで行動が縛られてしまう」_9
2017年8月9日
638円
176ページ
ISBN:978-4107719973
家族や周囲の教育圧力に潰れたエリートの息子、酒に溺れて親に刃物を向ける男、母親を奴隷扱いし、ゴミに埋もれて生活する娘…。現代社会の裏側に潜む家族の闇と病理をえぐり、その先に光を当てる――!! 様々なメディアで取り上げられた押川剛氏の衝撃のノンフィクションを鬼才・鈴木マサカズ氏の力で完全漫画化!
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「子供を殺してください」という親たち - 原作:押川剛 漫画:鈴木マサカズ / #59:【ケース20】「いい子」の仮面の犯罪者②| くらげバンチ (kuragebunch.com)