意外にも「優遇」されていた毎日新聞

視点を変えて「指名順序」に着目して、一般質疑(冒頭の幹事社による代表質問が終わった後の質疑)で最初に指名された回数を集計したところ、別の偏りも見えてきた。

【総理大臣会見】なぜNHKの記者ばかりが指名されるのか? 指名回数のデータ化で見えた「不公平」と「メディア間格差」_3
幹事社による代表質問の後に行われる一般質疑においてNHKは34回中9回、つまり約4回に1回は最初に指名されていた

なんと最初の指名は、わずか2社(NHK9回、毎日新聞6回)に集中。特にNHK(9回)は公共放送という重要性を考慮しても、他のテレビ局(テレビ朝日0回、テレビ東京1回)と比べて異常に優遇されている。司会の内閣広報官としては、幹事社による代表質問の後、真っ先にNHKを指名することがルーティーンになっているかのようだ。

一方で、比較的リベラルな毎日新聞(6回)がNHKに次いで多いのは意外な結果に思えた。この違和感について毎日新聞(自社に対する取材窓口の社長室 広報担当ユニット)に正式に質問したが、9日間も要した後に返ってきた回答文書には「指名の順番については弊社では分かりかねます」という一文のみであった。

【総理大臣会見】なぜNHKの記者ばかりが指名されるのか? 指名回数のデータ化で見えた「不公平」と「メディア間格差」_4
出典:毎日新聞社 回答文書(2022年12月23日付)

確かに指名を決めているのは内閣広報官であるため毎日新聞の回答はもっともだが、いわゆるリベラルと見なされる他紙(朝日新聞1回、東京新聞0回)と比べても、毎日新聞(6回)への偏りは異常である。ここからは筆者の想像になるが、ひょっとしたら近年の総理番や官邸キャップらが官邸との関係強化に努めているのかもしれない。