動機は警察に相談されたことによる逆恨みか

「被害者は福岡市中州のバーで働いていた容疑者と、同じ系列の飲食店で知り合った。系列店内の恋愛は禁止されていたため、二人は隠れて交際していた。交際を始めたのは昨春ごろで、昨年の10月下旬に被害者から警察に相談がよせられた。『携帯を取られている。もう別れたい』という相談内容だった。その後に被害者が別れることを告げると『俺は怒った。許さんぞ』というメールを被害者に送信していた。

警察は寺内容疑者に口頭で警告をしたが、付きまとい行為をやめなかった。昨年11月中旬、容疑者は女性の勤務先を訪れると、被害者が相談をして警察が関与したため『(解雇されて)仕事がなくなるだろう。どうするのか』などと詰め寄っていた。その後も被害者に電話をし続けるなどしていたため、県警は昨年11月下旬、ストーカー規制法に基づく禁止命令を出していた」

再三にわたって警察に相談に訪れていた川野さんについて、知人は「なぜ殺されなければならなかったのか」と悲痛の声を漏らす。
全国紙記者が語る。

「川野さんが福岡に引っ越してきたのは約10年前です。離婚歴がありシングルマザーとして娘を育てようと頑張っていました。両親と娘の4人暮らしで博多駅近くの会社で事務員として勤務していました。
以前には同県那珂川市でエステサロンの経営などもしていましたし、中洲で有名な高級ラウンジで働いていた事もありました。明るくて美人で気さくだった川野さんは人気者だったと聞いてます」

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シングルマザーとして仕事や子育てに奮闘していた川野さん

一方、寺内容疑者は大阪や東京などのサパークラブやバーを転々としていたと見られている。寺内容疑者が以前働いていた飲食店によると、最初、寺内容疑者は1万円を握りしめ、キャリーケースひとつを持ってやってきたという。