短文の文字数制限がある不自由さこそが
美学だったが…

ここまでは改革のメリットについて触れてきたが、ネット上では反発の声も大きく、特に古参ユーザーから不評なのだとか。

「創業者であるジャック・ドーシーがTwitterを作った際に、“短信用電子メールであるSMSのメッセージ上限が160文字なので、それに近しい数に倣った”という趣旨の発言をしています。また、彼は“短い文章にこそ飾らない人間の本音が出る”という内容の発言をしたこともあったそうです。

このように従来のTwitterのコンセプトは、あえて短文の文字数制限を設けることでのある種の不自由さに美学があり、長文での投稿が主だったインターネット文化に衝撃を与えたことで、ムーブメントを巻き起こしました。そうした創業時のコンセプトが失われてしまうというのは、古参ユーザーには受け入れづらいのでしょう」

そういった感情論は抜きにしても、現実問題としてInstagramやFacebookといった、現時点ですでに長文が打てる他のSNSと特徴がカブり、存在感が弱まってしまうようなことはないのか。

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「それは杞憂でしょう。というのも、長文が打てるとはいえInstagramは画像がメイン、Facebookも長文が打てますが、プライベートよりも仕事関連の宣伝などで使われがちなので、Twitterの文字数が増えても十分住み分けはできると思います。

分散型SNSとして近年注目を集めているMastodon(マストドン)などには、インターフェースがTwitterとそこまで変わらず、現状日本語で500文字まで打てる機能もありますが、利用者がまだかなり少ないので、Twitterのライバルとしては力不足ですね」