いしだに、「4度目の結婚」について聞いてみた

現在、父と娘は、それぞれ東京と石川県、と生活の場は別々だ。

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最愛の娘と離れて暮らすようになり、父・純一の気持ちもおぼろげながらわかってきたという。

「離れて暮らす寂しさみたいなものもありますが、なによりも自分の仕事もうまくいかず、このままだと一家全員路頭に迷う危機感があった。
娘が生まれた後、石川県にいるときには、病気を患ったこともあり、何も仕事がなかったんですよ。職安に行っても『いしだ壱成』って名乗っただけで雇ってくれない。それはイメージの問題ではなく、いずれ芸能界に帰っちゃうんじゃないかと思われていたみたいで。
雇う方からするとそりゃそうだなって話なんですが、とにかく、介護施設と、車の工場。あと旅館も、全部落ちましたね。
ファミリーマートでは、『うそでしょ? いやいや冗談やめてくださいよ』とか言われて。生活保護を申請しなければならないほどの窮状に陥って、『家族にこれ以上辛い思いをさせちゃダメだろう』という気持ちがあったから、泣く泣く、石川を離れました。
近所には、町内会なり、世話してくれそうな人もいるそうです。自分が離れたところで、完全に孤立してしまうという様子でもありませんでした。ただ、娘の幼少期は今しかない。一緒にいたいなって気持ちはやっぱりありますね」

時間をみては、いしだが娘が暮らす石川県に行ったりもするが、最近、父娘のコミュニケーションはもっぱらスマホによる「ビデオ通話」だ。

「本当に学習が早いというか……。いまでは自分でスマホのスワイプもできますからね。この間も『パパ乳首に毛が生えてる汚い』って言われました。乳首までわかるんですからね。もう4歳ですし、よその家と違って、自分がパパと離れて暮らしているということも、もう理解している。だからこそ……」

といって、スマホに視線を落としたいしだに、「4度目の結婚」について聞いてみた。

「今は娘がナンバー1ですから。……というぐらいなので、やはり、そんなに願望があるわけではない。娘が『いいよ』ってゴーサインを出してくれたらするかもしれませんが、離れ離れで暮らしているパパに新しい奥さんがいて、他に子供ができて、なんか楽しそうにしてるってなると、たぶん、娘としては『寂しい』と思うんじゃないですかね。

なによりも、自分がそうだったから。両親、特に母親には再婚してほしくなかったんです。
だから、女性たちと交際をしても、一番大事な『カノジョ』である娘がOKしない限りは再婚は、まだ、考えられないですね」

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インタビューに応じるいしだ壱成
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そういって、また、目を落としたスマホの待ち受け画面には、黒髪をおろし、にっこり笑う愛娘の姿があった。待ち受け画面を見つめるいしだの顔はかつての「カリスマ俳優」とも「お騒がせタレント」とも違う、「父の顔」となっていた。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
撮影/撮影/Soichiro Koriyama

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