人を愛する気持ちが丁寧に綴られた『モダンラブ』
Amazonオリジナルドラマ『モダンラブ・東京~さまざまな愛の形~』(2022年10月21日より世界配信)は、アメリカで話題になった『モダンラブ』の日本版。ニューヨーク・タイムス紙の人気コラム「モダンラブ」をベースにした7つのエピソードが東京を舞台に繰り広げられます。
そのエピソード6『彼は私に最後のレッスンをとっておいた』で主演を務めた池松壮亮さんとナオミ・スコットさんに、アメリカと日本を繋いでリモート・インタビューを敢行しました。
──アメリカで話題になった『モダンラブ』の日本版『モダンラブ・東京~さまざまな愛の形~』への出演依頼があったときのことを教えてください。また、出演の決め手となったのは?
池松壮亮(以下、池松) コロナ禍でステイホームの最中に、『モダンラブ』をたまたま見ていて「なんていいドラマなんだろう」と思いました。ニューヨーク・タイムス紙の実話コラムがベースで、人を愛すること、愛されることがギュッと凝縮された物語。
何より、長編映画などでは、なかなかスポットが当たらないような人の個性や愛情の機微をすくい上げているところに惹かれました。市井に生きている、生活しているリアリティのある人々の物語にフォーカスしているところが好きでした。
出演を決めたのは、モダンラブシリーズに参加出来ることにワクワクしたこと。そして、以前から気になっていた平栁敦子監督が演出を担当するということ。
さらに、時代の変わり目にコロナやヘイトを経験し、世界の分断が極まる中、国を超えてアメリカのクルーと仕事をするということに、大きな価値があり、自分の財産になると思ったからです。
ナオミ・スコット(以下、ナオミ)私も壮亮さんと同じです。『モダンラブ』はもちろん見ていました。とてもスイートな物語ばかりですし、いろいろな愛の形がクローズアップされていて、素敵だと思っていたんです。
今回、出演依頼を受けて脚本を読んだのですが、ピンとくるものがありました。私が演じたエマには共感する要素が多かったからです。あと平栁敦子監督の映画『オー・ルーシー!』(2018)を見ていたので、それも決め手になりました。
──おふたりが出演している『モダンラブ・東京〜さまざまな愛の形〜』のエピソード6「彼は私に最後のレッスンをとっておいた」は、オンライン英会話を通して知り合った、英会話の先生エマ(ナオミ・スコット)と生徒マモル(池松壮亮)のラブストーリーです。それぞれ、マモルとエマついて、どういう人物だと解釈して演じましたか?
池松 マモルのモデルになった方は、日本人じゃなくて韓国の方です。でもどこの国かは関係なく、ふたりの物語は「人を信じられるかどうか」ということが鍵になっていると思いました。
人生において、人を信じられなくなる瞬間というのは誰にでも起こりうるし、実際世界を見渡しても、そういうターンにあると思います。
マモルが、オンライン英会話で出会ったエマに惹かれて、国や人種、文化や環境、様々な違いを越えて、自分の直感に従ってアプローチしていったことにとても感動しました。彼女を信じたからできたことですし、そんなマモルのプロセスや葛藤を大切に、実話であることの敬意を忘れずに演じられたらと思いました。
ナオミ エマは、私たちを代表している存在なんです。優柔不断だったり、自分の選択が正しいのかどうか悩んだりすることは、誰でも経験することですよね。エマにとってはマモルが自分にとってふさわしい人なのか、愛されているのか、彼との将来を思い描くことができるかなど、深く考えます。
そして考えていくことで成熟していく。自分がパートナーに何を求めているのかがわかるようになっていくのです。共感するところは多かったですし、この素敵なストーリーのドラマに出演できたことは大きな喜びです。