一番、素直なコメディアンでありたい
――村本さんはよく「誰もがコメディアン」と仰いますが、自身が他のコメディアンと違う部分はどういうところだと思いますか?
どう違うかはわからないけど、一番素直でいたいよね。
俺はネタを披露するときに、それまで関わって来た人たちの顔、言葉、景色がぶわーっと目の前に広がっていくような感覚があるから、そのときの叫びはけっして、作り物の演技じゃない。
俺の今までの人生や背景、見たものや感じたものが細胞からびゃーん!と、素直に飛び出すようなコメディをやっていきたいね。
※
一時間のインタビュー取材を終え、「いいもの書いてね」と村本さんは次の独演会会場へと向かった。
私が村本さんに出会ったあの日から、もうかれこれ四年が経つ。私にとって彼は『テレビの人』ではなく大切な恩人で、彼のことはいくらかは理解出来ているつもりでいた。
今回の取材を通して、こんなことを私が言うのも失礼だが、彼は変化し成長し続けていると感じた。
まだまだ知られていない村本さんがたくさんいて、どんどん前に進んでいく村本さんに「キミも頑張れよ!」と、背中を押されているようにも感じた。
村本さんのコメディで、村本さん自身が納得する大爆笑が取れた暁には、また、彼の話を聞きたいと思う。
You have got wings.
文/金愛香 撮影/U-YA
♯0はこちら、♯1はこちら、♯2はこちら
「テレビから消えた芸人」ウーマン村本を追いかけた映画『アイアム ア コメディアン』が突きつける日本人の”生きづらさ”の正体