体重の減少、喉の渇きに気をつける

では一つずつ、初期症状を解説していきます。

初期症状1:体重の減少

糖尿病は太っている人や甘いものが好きな人がなるから体重が増えるというイメージをもたれているかもしれませんが、実は逆のことも起こります。
前述したとおり、体はインスリンの作用のおかげで糖をエネルギーにして細胞に取り込むことができます。

糖尿病になると、インスリンの働きが低下し、血液中の糖が増え、血糖値が上昇し、糖をエネルギーとして利用できなくなります。
そうなってくると、エネルギー不足を補うため、体の中では筋肉や脂肪を分解し始め、これが体重の減少に繋がるのです。
食べる量は変わらないのに、体重が減っている人は要注意です。

初期症状2:喉の渇き

糖尿病の人は血液に糖が多い状態です。
これを放っておくと、いわゆるドロドロ血液の状態が続き、脳梗塞や心筋梗塞が起きてしまうので、それを防ぐために脳は水を飲めという指令を出します。
この指令を喉の渇きとして感じるのです。

また糖尿病は、その名前の通り、尿に糖分が漏れる病気です
血液の中の糖の量が多くなってしまうので、尿として排出される糖も多くなってしまいます。
糖は水を引き寄せる力があるので、その分、尿の量が増えてしまい、体の水分が失われることで余計、喉が渇くという理由もあります。

そんなとき、スポーツドリンクやソフトドリンクを飲みまくると、とんでもないことになります。

喉が渇いたとき、清涼飲料水を飲んでも全然喉の渇きが解消されなかった経験ってありませんか?
清涼飲料水にはかなりの糖分が含まれていますので、血糖値は下がらないまま、喉の渇きが治まらないため、またドリンクを飲み続けるという悪循環になります。この負のスパイラルのせいで血糖値がどんどん高くなってしまい、命に関わる状態になってしまうのです。

この状態をペットボトル症候群と呼びます。
特に若い人が陥りやすく、食事代わりに甘い飲料を飲むと血糖値が急激に上がるので要注意です。

清涼飲料水の飲みすぎで救急搬送される方も少なくありませんので、常に喉の乾き、尿の出すぎには注意してください。

糖尿病はコロナ重症化や敗血症の重症化リスクの原因に。「体重の減少」「喉の渇き」「目のかすみ」…… 絶対見逃したくない5つの初期症状_1
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