ファン離れが加速したのは
2作連続のガッカリ作品が原因?

「日曜劇場」のブランド力低下の原因。

それは端的に言えば、“面白い作品を生み出せていないから”というシンプルな理由になるだろうが、この点はもう少し深掘りすべきだろう。

例えば絶好調だった昨年の作品は、基本的にTwitterでつぶやかれる声も好意的なものが多かったのだが、10月期の『日本沈没』は批判もかなり多い作品だった。ストーリーの強引さ、登場人物たちの危機感の希薄さ、ビルや道路が崩壊していくシーンのCGの陳腐さなど、ツッコミどころが満載だったのである。

そして『日本沈没』に続いて放送された今年1月期『DCU』も、高視聴率だったものの批判の声が多かった。醍醐味であるはずのダイナミックな潜水シーンが、回が進むごとにショボくなっていったのだ。前半は湖や海での潜水シーンがあったのだが、後半は水族館、温泉に潜るだけなどで、最終話も施設内の水槽でラストバトル。これに視聴者から失望とツッコミの声が殺到していたのである。

要するに初回視聴率が急落した『マイファミリー』の前の2作品のほこうそ、初回の高視聴率を獲得しながらも作品の評価がいまいちだったわけだ。もちろん、いくら「日曜劇場」と言えど毎度毎度、良質なヒット作を生み出せるわけではないだろうが、2作連続でガッカリさせられたため、ファンが離れていってしまったのではないだろうか。

また、仲間との協力で困難を乗り越えていく展開や、わかりやすいヒールキャラの登場、そして弱者が強者に立ち向かう逆転劇など、『半沢直樹』以降に浸透していった「日曜劇場」テイストが、さすがにもうマンネリで飽きられてきているということもありそうだ。

特に現在放送中で一桁視聴率に陥落してしまっている『アトムの童』は、よくも悪くも「日曜劇場」の王道路線を踏襲しているため、「日曜劇場」作品が好きだった視聴者ほど食傷気味でお腹いっぱいと感じている可能性も……。