競い合うように手が挙がる
ハンバーガー大学で学ぶのは、基本的に飲食店の経営方法とリーダーシップについてだが、各クルーのレイヤー(≒職位)に合わせて、複数のクラスが用意されている。
たとえば、リーダーとしてのマインドセットやモチベーション維持、部下へのフィードバックやコーチング、タスク委譲の方法について学ぶクラスや、コーチングが難しい場合のカウンセリングの方法や、店舗オペレーションの概要を学ぶクラスもある。
またリーダーシッププレゼンスの増し方、リーダーとしての感情のマネジメント、また店長を対象に「偉大な飲食店を導く者」としてのコーチングや、店舗ビジョンの設定へとステップアップしていく。
今回は特別に、クラスを1つ体験させてもらった。
従来はハンバーガー大学内にある講義ルームにて対面で開かれていたが、現時点ではすべてオンラインに。店長候補たちが集められ、グループディスカッションでマネジメントを学ぶ。ビデオ会議ツールの名前の横にはそれぞれの店舗が添えられ、その地名は関東以外にも、北海道や岐阜などさまざまだ。
講義中、「◯◯についてどう思いますか?」と講師がクエスチョンを投げかけると、受講者たちから競い合うように手が挙がる。一般的な企業研修とは、熱気がまるで違う…!
そんな中、「部下からマネジメントについて相談される」というテーマの模擬1on1で、印象的な場面があった。
一見、和やかに部下役の相手から悩みを聞き出しているように見えた上司役。そんな場面を見て、吉田さんがポツリと「あ、もっと部下役の方が話したくなるように、上司役が傾聴できるといいですね」とつぶやいた。
補足すると、この授業では、部下役の悩みへの解決策を、部下役自身に考えさせ、部下役から引き出すことを学んでいたのだが、上司役はリードが上手だったゆえに、自ら解決策を示してしまったのだ。
ここは大学。当然、ハッとさせられる学びがあるということだ。