「たくさんの批判が起こることは理解している」

「批判をマネージできなければここには立てない」スペイン戦に向け、自らを奮い立たせたキャプテン・吉田麻也の決意_1
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4年前のワールドカップ・ロシア大会を最後に、長谷部誠が“代表引退”を決断して以降、日本代表のキャプテンを務めてきたのが、吉田麻也である。

日本代表のみならず、海外クラブでのプレー経験も豊富な34歳は、ピッチ内外で類い稀なキャプテンシーを発揮。試合や練習でチームの先頭に立つことはもちろん、ピッチを離れた日常でも、試合に臨む心構えなどについて、経験の少ない若い選手へ伝えてきた。

ときに日本でのサッカー人気低迷を危惧し、ヨーロッパでプレーする海外組の選手たちに、「シーズンオフを利用して、多くのメディアに露出しよう」と呼びかけたこともあったほどだ。

英語が堪能な吉田には海外記者がマイクを向ける機会も多く、その発信力は国内外を問わず、際立っていた。この4年間、批判を受けることが少なくなかった日本代表にあって、吉田が常にチームの矢面に立ってきたのは間違いない。

そんなキャプテンが今、窮地に立たされている。

ワールドカップという大舞台で、強豪ドイツから歴史的勝利を手にした日本代表。ところが、続く第2戦では一転、コスタリカに0-1で敗れてしまったのである。

グループリーグで対戦する3カ国のなかでは明らかに力が落ち、日本にとっては絶対に勝たなければいけない相手。大会開幕前から、そう目されていたのがコスタリカだった。

ところが、日本はそんな相手に対し、どこか腰の引けた煮え切らない戦いに終始。得点を奪えなかったばかりか、試合終盤にミスから失点し、引き分けでの勝ち点1さえ取れなかったのだから、失態と言われても仕方がない。

吉田が語る。

「ドイツ戦からの3日間、この試合が難しくなることは間違いないと思っていたし、そのなかで自分自身にも、チームにも、準備ができているかとずっと問い続けてきたが、これがサッカーの難しさ。一番起きてはならない展開になってしまった」

しかも、失点に直接からむミスを犯したのが、当の吉田だった。

自陣深い位置で奪ったボールを拾った吉田は、大きく蹴り出し、セーフティにプレーする選択肢もあったなか、近くの味方選手にパスし、そのまま攻撃につなげることを選択。ところが、そのパスがズレて、相手選手に奪われ、ゴールを決められてしまったのである。

「最低でも(引き分けて)勝ち点1は取らなきゃいけなかった」

そう語り、厳しい表情を見せる吉田は、「たくさんの批判が起こることは理解している」と自責の念も口にした。