仲がいい人がいるだけで認知機能も幸福度も上がる

日本は世界でも幸福度が高くない国です。1位のフィンランドから8位のノルウェーまで、上位8カ国はヨーロッパの国が独占しています。
一方で、日本は54位でした。
幸せになりたい! そう思っているはずなのに、なぜ日本人は幸福を感じにくいのでしょうか?

「こじんまりとしたパブに行く回数が多い人は幸福度が高い」は本当か?_3
『80歳でも脳が老化しない人がやっていること』(アスコム)より転載

ハーバード大学の研究で面白いデータがあります。「人間関係での満足度が高いと幸福度が高くなる」というのです。夫婦、子ども、友人、相手は誰でもいいのですが、自分が仲がいいと思える人がいるだけで、人は幸せを実感できるのです。

夫婦であっても仲があまりよくない、お互いに関心が薄い、そんな関係もよく聞きますし、子どもとの関係は悪くなくても「仲がいい」とまで言える関係かと言われるとどうでしょうか。
友人関係も、知り合いは多くても「仲がいい」と言える友人はどうでしょうか。
そう考えると、仲がいい人というのは、簡単そうで、簡単ではない関係なのかもしれません。

人間は社会的動物なので、一人で生きるよりも周りの人たちとつながりを感じて生きているほうが幸福度が高くなるようにできています。脳内ではつながりを感じた瞬間にオキシトシンが出て、脳を活性化し、認知機能を高める効果もあります。
逆に、高齢期に感じる孤独感情は認知症の発症リスクを高めます。孤独感と認知症発症の可能性は比例しています。

たとえば、夫婦であれば、パートナーに先立たれた人が、強い孤独感で認知症を発症するという話をよく聞きます。また、異常に老けてしまう人もいるようです。孤独感は脳の大敵です。

誰かとつながりを持つことは、脳の視床下部からオキシトシンを出す以外にも脳を活性化する作用があります。脳の前頭前野を活発に利用するので、脳の老化がさらに減少する可能性があり、老人脳を改善してくれます。特に人の目を見て話すと前頭前野がより活性化することが東北大学の研究で知られています。

スーパーエイジャーの人は「肯定的な社会関係」のレベルが高いことがわかっています。つながりが生む効果ですね。
一方で、苦手な人や嫌な人とのつながりは脳のストレスになります。「否定的な社会関係」は脳にいい影響を及ぼしません。プラスになるのは肯定的な社会関係です。