コスタリカの守備塹壕をいかに突破するか

まずは鎌田大地。彼が心地よくプレーできていれば、自ずと勝利はつかめる。ドイツ戦も、鎌田は一人でボールを奪い、攻め上がったり、遠藤との連携から鮮やかなカウンターの起点になった。

後半途中からは中盤でゲームを作り、周りの選手のよさを引き出した。勝負を決めるプレーをできるが、同時に周りを輝かせながら、自分も輝く別格のプレーヤーだ。

相手がドイツであれ、コスタリカであれ、鎌田が窮屈に感じないプレーができるか。彼の近くに、久保、堂安、三笘などを配置するのが最善だろう。コンビネーションで相手を崩せるからだ。

もう一人のキーマンは、ボランチの遠藤航になる。

中盤で相手と対する能力は、ブンデスリーガでも1、2を争い、局面の勝ちを全体に広げられる。もっともドイツ戦は責任感からか、食いつきすぎて背後を取られることもしばしばだったし、自陣でのファウルは要注意だ。しかし、守りを安定させ、攻めにつなげられる点で、彼の代わりはいない。

それだけに、仮に「遠藤不在」となれば大きなディスアドバンテージとなる。今のチームでは板倉が一番近い存在だが、彼は本来のセンターバックがベター。柴崎岳が代役候補で、得点につながるプレーは素晴らしいが……。

コスタリカ戦、布陣は4−2−3−1が有力だが、マイナーチェンジはありそうだ。

GK権田、右SB酒井、CB吉田、板倉、左SB長友佑都、MF遠藤、守田英正、左FW久保建英、トップ下は鎌田、右FWは堂安律、トップ上田綺世。こんな予想メンバーか。

遠藤、鎌田は外せない。酒井や守田のコンディションに不安はあるが、彼らと控え選手には大きな差がある。また、ボールを持てる堂安を抜擢し、久保との「レフティ競演」にも期待したい。コンビネーションでコスタリカが作る守備塹壕を突破する。伊東はオープンな展開になった時の仕上げに使いたい。

一つ言えるのは、コスタリカは日本が臆する相手ではない、ということだろう。代表選手の所属クラブの格も2、3枚は上。個人では技術も経験も勝る。