祖父母のサポートなしでは厳しい
「家族依存型」福祉国家

同調査では、アメリカが22か国のうちもっとも親の幸福度が低く、反対にスウェーデンやフランスなど国家の家族支出の多い国ではそうではない傾向が出ています。

また、福祉国家には代表的な型があります。まずは社会保障の型を見ていきましょう。

福祉国家は大きく3つに分けて、「家族依存型」「政府依存型」「市場依存型」があるとされています。厚生労働省の資料にもあるとおり、「家族依存型」は家庭内で福祉のニーズを満たすため、金銭負担は発生しないもののそれを主に担う女性の負担が大きい社会です。まさに日本ですね。

次に「政府依存型」とはいわゆる北欧型です。高負担高福祉の国家で、多くの人がサービスを利用することができる社会です。

最後の市場依存型とは、まさにアメリカですね。国民負担率は低いですが、不足する福祉サービスを市場で購入するため、所得のない人間は利用できない、という格差の大きい社会です。

子育ては罰ゲームなのか?「親ペナルティ」をなくすために日本社会が向かうべき先とは…_01
出典:厚生労働省「社会保障教育のワークシート」
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日本の場合は、「家族依存型」ですので、子育てに関しても実家が近くにあり、子育てのサポートを受けられる人とそうでない人では子育ての負担が大きく異なってきます。

事実、地方などで実家の近くに住んでいる人などは保育園のお迎えなどを祖父母にお願いしているケースも珍しくありません。これは家族に負担してもらう典型的なケースと言えるのではないでしょうか。

筆者は高知県在住ですが、知人を見てもフルタイムの夫婦共働き世帯が多く、祖父母のサポートを受けている人が多いようです。逆を言えば、祖父母のサポートがなければ成立しないライフスタイルでもあると感じます。

家族依存型では国民負担率を抑える反面、環境により子育ての負担が大きく異なります。もし、家族依存型から政府依存型、つまり国がサポートを強化する場合、国民負担率を上げる必要が出てきます。