「父親が休みやすくするほうが先」なのでは?
孫休暇について、ネット上では以下のような反対意見が多く見受けられた。
「祖父母よりも、父親が休みやすくするほうが先だと思う」
「制度をつくらなくても、必要に応じて有給を使えば済む話」
「独身の人や孫がいない人のための休暇もほしい」
「親(義親)がまともでない場合は迷惑でしかない」
「産後のしんどいときに、何もしない実父(義父)に来られても困る」
「子どもの父親が、確実に休暇を取得できるようにするほうが先決」という視点は確かにあるだろう。今年10月から「産後パパ育休」制度が施行されたが、休みを取りづらい男性もまだ多い。
有給休暇で事足りるのでは、という意見も一理ある。「数ヶ月単位で休む必要はないのだから、すでに付与されている休暇を充てればよい」という考え方だ。
取得対象でない人にとっては、やはり“不公平感”も拭えない。また、親子間の関係性が良好でない人にとってはむしろ不要な制度だ、という声もあがっている。
「子育てや家事にあまり関与してこなかった世代の男性が休暇を取得しても、戦力にならないのでは?」という見方もある。
「苦労を知った」。孫休暇を実際に利用した人の声
一方で、実際に民間企業で孫休暇を取得した人たちからは肯定的な声も多い。
制度を利用したある女性は、「第三子が産まれることになり、上の子たちの園への送迎や食事の支度などに人手が必要な状況だった。休暇を取得できたおかげで、娘夫婦の手助けができてよかった」と述べている。
別の男性は、「家事・育児のサポートは想像以上に大変だったが、日頃の苦労を少しでも身を以て知ることができた」という感想を持つ。また、「会社に制度があったからこそ、休むことに罪悪感を持ちにくく、ありがたかった」という女性の声もあった。
孫が生まれたときの祖父母の役割は「新生児のお世話」よりも、産後しばらくはままならない料理や洗濯・買い物などの家事、上の子の世話などを担ってもらうことのほうが実際には多く、そのほうが助けになるものだ。
「サポートしてほしい・したい」という双方の意見が合致していれば、数日間会社を休んで娘(息子)夫婦の家庭を手助けできる制度のメリットは大きい。