妻に教えてもらった「餃子サンド」の再現に挑む

大きなテント、その脇に一台の自転車。
足立区からやってきた石川さんがホットサンドメーカーを開いて見せてくれたのは、ホットサンドかと思いきや「餃子サンド」だ。

突撃取材「キャンプ飯、見せてください」。そこには“映え”を超えた愛と友情の味があった!_9

「餅、明太子、のりを餃子の皮で挟んで焼いたものです。前回、夫婦でキャンプに行ったときに妻が作ってくれたのが美味しくて。今日は僕だけ仕事が休みだったんで17キロ自転車をこいできて、教えてもらったレシピをソロで試してたんです」

突撃取材「キャンプ飯、見せてください」。そこには“映え”を超えた愛と友情の味があった!_10

それだけでも相性のいい和の食材を餃子の皮で挟むことで、小麦の香ばしさが加わり風味が増す。スナック感覚の食べやすい形はキャンプ向き。
忠実に再現できたように見えたが、石川さんは一口食べて小首をかしげる。

「まあまあ美味しいけど……仕上げのごま油を忘れたからか、何かもの足りない。うーん、やっぱり妻にはかなわないと思い知りました」

苦笑いする石川さん。夫婦でのキャンプは車で、ソロのときは自転車で、とアウトドアのスタイルを使い分けている。

突撃取材「キャンプ飯、見せてください」。そこには“映え”を超えた愛と友情の味があった!_11

フレームから組み上げたというこだわりの自転車は、前後のキャリアにバッグを装備し、テントや調理器具を積載可能。自分のスタイルを追求する男のキャンプ飯は、これからも進化していくに違いない。

こだわりの中華鍋で作るパラパラ絶品「チャーハン」

焚き火で熱した中華鍋を振っていた姿が目を引いた。50代の下田さんは、中華お玉でチャーハンをかき回しながら話す。

「今日はおろしたてのこの中華鍋を使いたくてね。ひとりでふらっと昼メシだけ作りにきたんだよ」

突撃取材「キャンプ飯、見せてください」。そこには“映え”を超えた愛と友情の味があった!_12

黒光りする中華鍋は鉄製品の名産地、燕三条製。「洗わないで拭いて手入れをするんだよ」とギアへの思い入れが溢れる。焚き火台も前日に購入したばかり。コンパクトに収納できるところが気に入っているそうだ。

「というわけで、今日の主役はキャンプギア。2、3時間でサクッと帰るつもりだから、料理は凝らずに冷凍チャーハンです」

突撃取材「キャンプ飯、見せてください」。そこには“映え”を超えた愛と友情の味があった!_13

キャンプ歴は6年ほど。家族と、仲間と、ときどきひとりで。場所は近所から沖縄は宮古島まで。シーンに合わせて多彩なスタイルで楽しんでいる。そこまでキャンプに魅せられたのはなぜか。

「うーん、きっかけはなんだったかなあ……子どもの頃にさ、こういう外遊びが流行ってたんだよね」

真鍮製の吹き棒で炭をコツコツいじりながら話す下田さんの目じりにシワが寄った。

突撃取材「キャンプ飯、見せてください」。そこには“映え”を超えた愛と友情の味があった!_14