「一度きりルール」を心得よ
なぜ魔法の言葉が大事なのでしょう?
実は、性の話には「一度きりルール」というものが存在するからです。
子どもはとても敏感です。親の戸惑う表情を見逃しません。子どもの頃、親と一緒にテレビを見ている時に、「あぁ〜〜ん♡」なんてシーンがはじまって、家の中が北極のように凍りついた経験、ありませんか? 金縛りにあったがごとく動けないあの感じ……(笑)。
「私も知らんぷりしなくちゃ」「親にとって嫌なことなんだな」「これは聞いてはいけないことなんだ」と察した経験が誰しも一度はあると思います。先ほど書いた「マンピーのGスポット事件」もしかり。私は兄の表情一つで、二度と兄に性の話は聞かない! と決意したことを覚えています。
これと同じで、性に関する質問をした時に親がドキッとして黙り込んだり、アタフタしたりすれば、「これは質問してはいけないんだ」と子どもは思ってしまうのです。
また、「そんなこと聞かなくていい」と拒否されれば、このままでは親から嫌われる、怒られると思い、口も心も閉ざします。そして、そんな風に感じた子ども達は二度と性のことを親に聞かなくなります。いえ、「聞けなく」なってしまうのです。
性は人間の根幹となるものなので、他の話題に比べ、親が発する拒否感も、受け入れられないショックも大きいからです。親に頼れなくなった子どもが頼る先は……ご存知、「インターネット先生」です! その結果どうなるか?もうおわかりですよね。
こんな時こそ! 性教育
子どもを育てていると、「え!ウソでしょ?」とドキッとしたり、「何やってるの!?やめなさい!」とヒヤッとしたりする出来事に日々、遭遇します。ジュース満タンのコップをひっくり返してみる、くつしたを手に履いてみる……こんなシーンなら親は即座に適切な対応をするに違いありません。
しかし、そのシーンに〝性〞がからんでいたら? その場でうまい対応をするのは至難の技ですよね。
実際に親が出くわしたドキッヒヤッ体験を例に、子どもの行動をどう捉え、どう対処すべきかをお話ししていきますね。